今大流行のマンガを読んで思ったこと

今、とても流行っている「鬼滅の刃

我が家でも子供たちが夢中です

私は読もうかなと思いましたがしょっぱなから一家惨殺というところで

残酷で怖そうなのでもうそれ以上読みたくなかったのですが

子供も夫も読んでいるしすすめられるしで、読んでみたら案外面白いです

 

一番最初に心に残ったのは「救いがない」というたんじろうの言葉。

救いがない

これがこの漫画のテーマなのかなと思いました。

 

次に心に残ったのはマンガの単行本にある作者の言葉です。

「3巻まで出すことができました。努力は報われないものなので、

こうして単行本が出せるのは私の努力のおかげではありません」という趣旨の言葉。

努力は報われない

これも「救いがない」と同じくらい強い言葉です。

作者のそういう絶望感がこの漫画に込められているなと思いました。

 

読んでいくうちに大正時代の日本の貧しさ、そこからくる残酷さ、救いのなさ

がこの漫画の根底にあるなと思いました。

 

それで私は大正生まれの自分の祖父母のことを思い出しました。

祖父は孫の私から見てもかっこよくて頭の良い仕事のできる人でしたが

学歴は尋常小学校卒業です。

本人は中学校に行きたかったけど家が貧しくて行けませんでした。

実家は農家ですが、次男で後継ぎではないため

13歳で近所の味噌やに丁稚奉公に出ました。

ところが19歳のときにお兄さんが戦死します。

そして家を残すためにお兄さんのお嫁さんと結婚させられます。

祖父はそれがいやでいやでお酒を飲んで暴れる人生になりました。

でもかっこよくて働き者でもありました。

 

お兄さんとお嫁さんの間には3歳の息子がいました。

それが私の父です。

父は次男でしたが長男は1歳で病死しています。

今となっては何の病気かもわからないそうです。

父は常に疎外感、寂しさを持って育ち

私が見る限り、いまだにそれを克服できていません。

 

私は祖父母と同居していました。

祖父母が家族だったので彼らが生きた時代を

なんとなく肌で感じながら育ちました。

だからこの漫画を読んで、大正時代の貧しさ、残酷さを感じ

祖父母を思い出しました。

 

作者の人はお若いのでしょうか?

それとも私と同じように大正生まれの祖父母とのかかわりから

感じたことを物語に昇華したのでしょうか。

 

平成生まれの私の子供たちはそういう時代考証などはまったく興味なく物語のチカラに引き込まれているみたいです。